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バランス理論
バランス理論(balance theory)はFritz Heiderという研究者によって提唱されました。
バランス理論では、認知者(P)、その他の人(O)、対象(X)の三者が調和し合っているとき、バランスが保たれていると考えます。
逆に、三者が調和していないとき(バランスが崩れているとき)、そのバランスの崩れは人にストレスをもたらすと考えます。
人は三者のバランスを保つことに努力し、このストレスから逃れようとする傾向があるとしています。
例えば、認知者をPさん、その他の人をOさん、対象(X)をピーマンとしましょう。
バランス理論では、これら三者は「好き」と「嫌い」に基づいたつながりです。好意的つながりを+、嫌悪的つながりを-と表現します。三者にバランスが保たれているケースは以下の4つのタイプです。
(タイプ1)
Pさん→Oさん: 好き
Oさん→ピーマン: 好き
Pさん→ピーマン: 好き
(タイプ2)
Pさん→Oさん: 好き
Oさん→ピーマン: 嫌い
Pさん→ピーマン: 嫌い
(タイプ3)
Pさん→Oさん: 嫌い
Oさん→ピーマン: 嫌い
Pさん→ピーマン: 好き
(タイプ4)
Pさん→Oさん: 嫌い
Oさん→ピーマン: 好き
Pさん→ピーマン: 嫌い
これらの状態は、バランスが保たれているため、Pさんはストレスを感じることはありません。
結果的に、PさんはOさんへの態度もピーマンへの態度も変える必要がなく、またPさんはそれらの態度を変えることに強く抵抗するでしょう。
一方、バランスが崩れているのは以下の4つのタイプです。
(タイプ5)
Pさん→Oさん: 好き
Oさん→ピーマン: 嫌い
Pさん→ピーマン: 好き
解消法
Pさん→Oさん: 嫌い
Pさん→ピーマン: 嫌い
(タイプ6)
Pさん→Oさん: 嫌い
Oさん→ピーマン: 好き
Pさん→ピーマン: 好き
解消法
Pさん→Oさん: 好き
Pさん→ピーマン: 嫌い
(タイプ7)
Pさん→Oさん: 好き
Oさん→ピーマン: 好き
Pさん→ピーマン: 嫌い
解消法
Pさん→Oさん: 嫌い
Pさん→ピーマン: 好き
(タイプ8)
Pさん→Oさん: 嫌い
Oさん→ピーマン: 嫌い
Pさん→ピーマン: 嫌い
解消法
Pさん→Oさん: 好き
Pさん→ピーマン: 好き
一般的に、+の関係が0か2つのとき、三者の関係のバランスは崩れます。
+の関係が1か3つのとき、三者の関係にはバランスが維持されています。
しかしその後、ハイダーのバランス理論は単純すぎるという批判が起こり、バランス理論は修正されています。