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反対感情併存を克服することで前向きになる
職場の人間関係を良好なものとするために、大切なことは、メンバー全員が前向きになることです。
しかし、人間は大人になればなるほど、前向きに生きることが難しくなります。
もし前向きに生きているスタッフが多ければ、その職場はとてもよい雰囲気になるでしょう。
今回は前向きに生きるための考え方として「反対感情併存」というキーワードを説明します。
一つの対象に対して、対立する二つの感情を持つことを反対感情併存といいます。
例えば、ある人に対して、好きという気持ちと嫌いという気持ちがある場合です。好きであり、嫌いであるという関係は両立しえないです。このような例の場合、日常の表現では「愛憎半ばする」というでしょう。
ある人を嫌いで、ただそれだけであれば、特に問題はないです。「あいつは嫌いだ」という判断をすればいいだけなので、苦しむことも悩むこともないでしょう。
しかし、好きでもあり、嫌いでもある場合、悩みが生じます。この矛盾した感情は、とても大きな精神的負担となります。
例えば、ベンチャー社長として成功したい。学者として有名になりたい。こういう夢を持つ人は多いだろう。このような夢を心の底から望み、欲しているなら、どんなに辛いことでも我慢し、乗り越えることができるだろう。
しかし、もし反対感情併存であったらどうだろうか?ベンチャー社長として成功したいが、商売にも興味はないし、経済的な成功に対して、心の底では拒否感がある。または、学者として有名になりたいが、勉強は嫌いだ。こんな人がいたとしよう。このような反対感情併存型の人は、商売に努力したり、勉学・研究に励むという前向きな苦しみ以外に、反対感情が併存していることによる精神的負担で苦しむことになります。
反対感情併存型の人は、ベンチャー社長となることや、有名な学者になることが望みでもないし、夢でもないのです。それは執着であり、常に葛藤を伴う苦しみに過ぎません。
もし本当にベンチャー社長として成功したいなら、一生懸命に努力し、商売をより良いものとしていくでしょう。これが前向きな苦しみです。
また、学者として成功したいなら、研究や勉学に励み、より良い成果を出そうと努力するでしょう。これが前向きな苦しみです。
このように、ベンチャー社長で成功する。有名な学者として成功する。という目標が本当に夢であるなら、それは自己実現型の人として前向きに頑張ることができるのです。
しかし、そこに相反する感情が併存する場合、反対感情併存型人間として、前向きな苦しみの他に、余計な苦悩を抱え込むこととなり、人生の質を悪化させてしまうのです。
できる限り、自分の心の中を整理して、反対感情併存という状態を解消するようにしましょう。そうすれば、あなたの人生は前向きなものとなるでしょう。