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職場のスキャンダル話への対処

人が集まれば、必ず噂話をするものです。たわいのない、微笑ましい噂話ならば、職場の空気を緩和し、よい対人関係を築くのに役立つでしょう。しかし、多くは職場のメンバーのモチベーションを低下させることになります。

特に、悪意や敵意に基づいた噂話は、職場の雰囲気を混乱させ、業務に支障をきたすことになります。このようなネガティブな噂話の多くは根も葉もないもので、悪意ある人によって故意に流されるものです。ネガティブな噂話は、いわば職場のテロだといえるでしょう。

リーダーは責任を持ってテロ的な噂話を鎮圧する必要があります。テロ的な噂話でないにしても、メンバーの業務遂行上、気を散らせるような種の噂話にはリーダーが何らかの対応をする必要があります。


では、リーダーの噂話に対する対処とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。

第一には、噂話の概要を把握することです。己を知り、敵を知らば百戦危うからずです。噂話の内容を収集し、その内容をストーリーとして記録します。聴取する人によって内容が異なるのであれば、誰の話がどの点で違っているのかと記録しましょう。噂話の内容のバリエーションは噂話の伝播(広がり)や噂話の背景を理解するのに役立つ重要な情報です。

第二に、噂話の被害にあっている被害者からの聴取を行います。心当たりはないかなど、基本的に聞くべきことを聴取し、記録します。ただし、被害者にも問題が会ったのではないか・・というような発言は絶対に禁止です。被害者は他人が思うよりもはるかに深く傷ついています。できる限り、被害者の立場に立って行動するようにしましょう。

もし、被害者への個人的な恨み、不満などが噂話の原因となっているのであれば、特に被害者からの聴取は大きな意味があります。

第三に、噂話の被害者からの聴取内容、噂の内容を検証し、事実無根もしくは法的に名誉が毀損されているような場合、リーダーは職場のメンバーに対して調査の内容をできる限りで伝達し、噂話はうそであり、噂話を今後も広めるようなことがないように教育します。メンバーに伝達できる範囲とは、被害者の特定ができないようにするということです。多くの人が被害者が誰であるかを知っていますが、リーダーの対処によって第二の被害を受けることがないように配慮します。


悪意の噂話は放置すれば、時間を追うごとに深刻な結果をもたらします。
職場の指導的立場にある人は噂話には迅速に対処し、調査内容の適正な範囲での伝達とスタッフの教育を行うようにしましょう。